国際化推進のこれまでとこれから
立教大学
2022/10/05
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
立教大学は、2014年に国際化戦略「Rikkyo Global 24」をもとに、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業/Top Global Univ ersity Project」(TGU事業)に採択されました。
TGU事業は10年にわたる補助事業で、2022年度で9年度目となり、いよいよ事業終盤に差し掛かってきました。
これまでの取り組みを通じた変化について、学生の視点から紹介します。
立教大学のTGU事業とは
キャンパスで感じる大学の国際性
学生の声 その1
キャンパスには、世界各地から留学生が来ているよね。お昼にグローバルラウンジを通りかかったら、留学生との交流イベントをやっていたよ。今度参加してみようかな。
- 協定校の拡充や短期日本語プログラム等の実施により、コロナ禍前の2019年度には、年間1,400人超、世界57の国?地域から留学生を受け入れていました。2022年春学期にも741人の留学生が在籍しています。
- 池袋?新座の両キャンパスにある「グローバルラウンジ」では、対面やオンラインでの国際交流イベントを実施し、国内学生がキャンパスの中でも異文化交流ができる機会を提供しています。
協定校の拡充
129校(2014年度)→229校(2022年5月現在)留学生数の拡大
621人(2014年度)→最大1,422人(2019年度実績)国際交流イベント
年間246回開催 2,434人が参加(2021年度実績)学生の声 その2
教室の前に「祈りの部屋/Prayer Room」というのがあったよ。ハラルフードの食堂もオープンしたし、いろいろな宗教や文化があることを実感したよ。
- インドネシアの大学との連携を軸に国際連携大学院プログラムを実施しています。経営学研究科MPMAコースおよび21世紀社会デザイン研究科MSDAコースの英語コースにインドネシアの協定校のほか、JICAプログラム等を通じてアフリカ諸国やASEAN諸国(ベトナム、フィリピン等)などから、2021年度までに計85人の留学生を受け入れています。
- 「祈りの部屋/Prayer Room」(WANOMA/株式会社丹青社)は、祈りを捧げる部屋として設けられ、イスラム圏からの留学生をはじめ、誰でも利用できます。「ハラル認証」を取得した学食を新座キャンパスに開設しており、2022年6月には新たに池袋キャンパスにもハラルフードの食堂をオープンしました。日常生活の中で多様な宗教や文化を身近に体感できます。
国際連携大学院プログラムの学生たち
2016年4月
〈ハラルフード食堂設置〉
2020年9月 新座キャンパス
2022年6月 池袋キャンパス
祈りの部屋(池袋キャンパスマキムホール3階)
学生の声 その3
サークルの友達は英語コースに在籍しているんだって。英語で課題をやっていたし、プレゼンの準備も全部英語だったよ。私も英語の授業をもっと受けて、英語でプレゼンができるようになりたいな。
- 英語でリベラルアーツを学ぶGlobal Liberal Arts Program(GLAP)を開設。超少人数教育(1学年定員30人)や、海外リベラルアーツ校への1年間の留学、立教の特色である「リーダーシップ教育」を英語で学ぶ経験などを通じて、複眼的な視点で物事を判断する力を身に付けた学生を育成します。GLAPの授業のうち、海外リベラルアーツ校から教員を招いて実施する授業など、一部の授業は他学部の学生も履修できます。GLAPのほかにも、異文化コミュニケーション学部、経営学部、社会学部、法学部など、英語で専門を学ぶコースや科目群を展開しています。
- 全学共通カリキュラムを中心に、入学から卒業まで継続的に英語の学修ができるカリキュラムを用意しています。1年次全員が「英語ディベート」「英語ディスカッション」などの科目を履修します。さらに次のステップとして、2年次以上を対象とする「CLIL(Content and Language Integrated Learning)科目」を通して、学部の専門科目を英語で学ぶための土台となる力を身に付けます。これにより、各学部?学科が英語で開講する専門科目「学部EMI(English as a Medium of Instruction)科目」につながるよう、段階的かつ継続的な学びが可能となっています。
GLAP授業の様子
2020年度 英語新カリキュラム導入
英語カリキュラム概念図
学生の声 その4
5月に入ってから、海外プログラムの案内メールがたくさん届くようになったんだよね。今年の夏休みにはどれかに参加してみようかな。
- 2022年度には、夏季?春季を合わせて定員1,600人超となる、約90の海外派遣プログラムを開講します(2022年6月時点予定)。言語修得を目指すプログラムから、現地学生との協働プログラム、またインターンシップなど、目的?語学力に応じた多様なプログラムを展開しています。さらに、海外派遣プログラムへの参加を後押しする仕組みとして、プログラム参加者のうち経済援助を必要とする者に対し、年額10万~60万円を要件を満たす希望者全員に支給するグローバル奨学金を用意しており、海外派遣をさまざまな制度でサポートしています。
- 2016年度からグローバル教養副専攻を全学生対象に展開し、所属する学部学科?専修の専門性に加えて、もう一つの素養を、21のテーマの中から体系的に修得することを目指しています。「Global Leadership」「International Cooperation」など、英語でリーダーシップや国際協力について学ぶことのできるコースも展開しており、大学が認定する海外体験を行うことで修了できます。
海外派遣学生数
906人(2014年度)→1,429人(2019年度実績)グローバル教養副専攻登録者数
18,031人(2022年6月現在?仮登録含む)海外インターンシップ
INTERVIEW
コロナ禍を契機に新しい国際化を推進
法学部教授 松井 秀征
TGU事業採択以降、学生が多様な価値観に触れ、自らの慣れ親しんだ環境や価値観を脱ぎ捨てて多様な経験ができるよう、全学一丸となって国際化に取り組んできました。この9年間で、着実にキャンパスの国際色は高まり、日常的に異文化に触れる経験を通じて、学生はさまざまな気付きを得ていると思います。一方で、「国際化」という言葉にハードルを感じ、一歩を踏み出せない学生がいることも事実です。今般のコロナ禍をきっかけに急速に広まったオンラインでの取り組みを、これまでの国際交流において障壁となっていた時間的、距離的、さらには金銭的負担を大幅に軽減することができる好機と捉え、引き続き積極的に活用したいと思っています。これとともに、学内のリソースを活用して学生のマインドセットにさらに働き掛けるなど、より多くの学生が国際的な体験にチャレンジしやすい環境を整備していきます。
※本記事は季刊「立教」261号(2022年7月発行)をもとに再構成したものです。バックナンバーの購入や定期購読のお申し込みはこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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